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1 アイデアを出すために - その1 パズル本を読む・解く

私自身、元々は「ナンバープレース」や「サムクロス」など、ペーパーパズル(主に数理系)を作るのが得意なのですが、最近はテレビ方面から、言葉遊び系・ひらめき系の問題作成を依頼されることがあります。

そうなってきますと、ペーパーパズルと作る感覚が異なり、「ひらめかないと作業が進まない」という事態に陥ります。また、依頼元のその時々の注文内容も変わることがあるので、出したアイデアが必ずしも役に立つとは限りません。

ですので、日ごろからアイデアを出し、蓄えておくことが大切になってくるわけです。

アイデアの出し方と一言で言っても、作家さんによってそれぞれ異なるので、ここでは私の方法をご紹介すると同時に、そこから生まれた拙作を出題していきます。

過去に出版されたパズル本・(とんちやひらめき系)のクイズ本を1冊でも多く読んだり解いたりします。

そうすると既存のアイデアを覚えますので、これから自身が出すアイデアが既存のものと被らないように心がけることができます。

また、載っているパズルを材料に、問題定義してみます。この時、スマートに解決できる一意解を見つけることが出来たら、オリジナル問題の完成です。

では、この経緯で作成した問題例を紹介しましょう。

(メディアソフト『ひらめき推理パズル Vol.4』にて発表)

問題 2×2×2サイズの立方体を2つに切り離しました。片方が枠で囲まれた左のブロックのとき、もう片方のブロックはA・B・Cのうち、どれだと考えられますか? ただし、点線は小さい立方体1個分の目安です。

この問題の答えは、ご自分で。

(つづく)

田守 伸也
和歌山県生まれ。雑誌・テレビ・企業に問題提供する神出鬼没のパズル作家。名前以外、これといった特徴なし。