1月

月ごとにテーマを変えながら、文字の遊びをお届けしている、この連載。スタートは遅めですが、これが今年の一回目です。

さて、この時期は寒い日ばかりですが、それにピッタリの題材を選んでみました。

今月のテーマ 防寒具

いろいろな選択肢がありそうですけれど、今回は面白いことになりました。それは見てのお楽しみということで、さっそくご紹介しましょう。

最初の登場は、意瞑字査印さんの作品です。

© 2017 意瞑字査印

シンプルに「セーター」とありますが、ひっくり返しても同じように読めます。まさに、王道のアンビグラム。こうした形の仕掛けを機能させながら、その字面にはモチーフゆずりの温かさもにじみ出ていて、さすがの安定感に納得しました。

ところで、お次は、こんなアイテム。

© 2017 igatoxin

igatoxinさんの「手袋」は、色の濃い部分に注目すると、そこに「ミトン」の文字。表記の上では違うものでも、こうして同居させることが可能なのですね。これを見て、自分でも何か探してみたくなるような、さらりと楽しめる素敵な図案です。

そして、このモチーフが続きます。作者はHiroshiさん。

© 2017 Hiroshi

ナナメに配置された「てぶくろ」。全体が傾いているのには理由があって、どの文字もナナメにすると左右対称なのです。さらに細かく見ると、「ぶ」の濁点は左右で一組の手袋になっています。見慣れていた文字が、ちょっと新たな一面を見せてくれました。

最後も、やはり同じモチーフ。読めますよね?

© 2017 まっしー

まっしーさん作の「てぶくろ」は、やはり上下を逆さまにしても同じように読める図案。普通なら無理だと思われるところを、文字まわりの装飾を含めたり、色合いを利用したりして、その工夫はさまざま。観察すればするほど面白い作品ですね。

さて、これにて今月はおしまいです。ご協力くださった作家のみなさん、ありがとうございました。次回も月末ごろにお会いしましょう。