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26 パズルの投稿 その1

私がパズルの投稿を始めた高校一年の頃(1995年)は、パズル雑誌を出版している会社が少なく、投稿できる雑誌の数も限られていました。

現在は、いろんな出版社がこぞってパズル雑誌を出しているので、やる気と根気さえあれば、自分の作ったパズルが雑誌に掲載される喜びを感じられるのではないでしょうか。

とまあ、雑誌への問題投稿についてさらっと書きましたが、今回お話しするのは雑誌ではなく、テレビ番組への問題投稿についてです。

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる

私は「IQサプリ」という番組に100以上の問題を投稿しました。

今を思えば、よくそんなレベルの問題を投稿したなと、過去の自分にツッコミを入れたくなるようなものもありますが、その当時の私は、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるだろうと思っていました。

ただ、ここでいう「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」というのは、「いろんなジャンルの問題・いろんなレベルの問題を投稿する」という意味であって、的から外すために撃っている(レベルの低い問題ばかりを投稿するという)わけではありませんよ。

周りの意見は気にしない

投稿する前に、誰かに解いてもらって感想を聞いたとしましょう。そのとき、もし否定的な意見をもらっても気にしないことです。

その意見がテレビ関係者のお言葉だったら素直に聞きいれるべきだと思いますが、一般の方やパズルマニアがどのような意見だろうと、採用を決めるのは、テレビ番組というエンターテインメント業界のプロフェッショナルだからです。

現に、私が番組で採用された問題をパズル業界では有名な方に解いてもらったら、「私はこういう問題は嫌いだな」との意見をいただいたことがあります。

採用してもらうことを第一に考えるのであれば、意見をもらう相手を間違えないようにしてください。

せっかくのアイデアを捨てない

「IQサプリ」では「サプリ文字」(文字絵の一種)も何問か採用されましたが、私自身は絵を描くことが苦手です。

文字の加工だけだったら何とかなりますが、投稿した問題の中で、作画に最も困難を極めたのは、「『ちゅ』の文字が動いている → ちゅ・うごく → 中国」という問題です。

絵心があれば何とかなるのでしょうけど、あいにく私は持ち合わせていないので、静止画で「動く」を表現できません。でも、このアイデアを投稿したい。

悩みぬいた末、下手なイラストは描きましたが、さすがにそれでは伝わらないと思ったので、注釈として「『ちゅ』が動いているところを表現しています」と書き加えました。

そうしたら採用され、絵心のない自分の作ったイラスト問題が、きちんと動画となって全国放送されたのです(その後に投稿した「『七』を拭く『人』 → 七福神」も同じ形で動画になりましたが、こちらは作画が簡単だったので割愛します)。

もし面白いアイデアを思いついたのなら、苦手なことがあっても、何とか形にして投稿してみてはいかがでしょうか?

続きは来月に……

(つづく)

田守 伸也
和歌山県生まれ。雑誌・テレビ・企業に問題提供するパズル作家。
パズル雑誌以外では、テレビ番組「脳内エステ IQサプリ」、「推理せよ! 迷Qポワロ」に陰ながら問題を提供。JALのパズル小冊子『Air Challenge』など、企業のパンフレットにも問題提供経験あり。