最後に文字を書いたのはいつですか?
文字を手書きする機会がすっかり減り、スマートフォンの普及により文字は書くものではなく、入力するものになりました。20~30代の書字能力が低下したとの報告もあります。
入力時には自動で変換してくれるので、漢字の形まで普段は意識しませんが、いざ漢字を手書きする場合に「あれ、どんな字だったっけ?」と戸惑うこと、ありませんか?
スマホを参照しようとしても文字が小さすぎて「大体こんな漢字だった」で済ますこと、ありませんか?
手描(書)き文字が多くの人の目に触れる場所があります。漫画の世界です。下に示した字は漫画の中で見つけたものですが、どこか変です(ここではフォントを明朝体にして再構築しています)。同じような字を書いていませんか?
(1)「友達」「発達」「達人」などで使われる「達」。しんにゅうの中に「幸」を描く例が多数見つかります。土の下は「羊」が正解です。
(2)ホテルや宴会場の看板に描かれた「歓迎」として、よく出てきます。しんにゅうの中を「卯」としていますが、これは「柳」「卯年」など、よく見る字との混同と思われます。
(3)「廃人」「廃液」など負のイメージで使われる「廃」は、まだれが正しいのです。漢字のイメージからやまいだれにする例が多く、廢→廃、癈→Xという連想で新たな漢字を作ったと言えるのかも(廢・廃・癈は実在する漢字)。
他の漢字は、どこが変なのか分かりますか? 解答は次回に掲載します。(itacho)