たまたま顔に見えるものを探して、写真を撮る。みなさん一度はやったことがあるかもしれません。そんな遊びが絵本のカタチになった、ニ冊の本を紹介します。
一冊目は、阪東勲(ばんどう・いさお)さんの写真絵本『ふしぎなまちのかおさがし』。
サムくんと犬のダックがカメラを借りて、街の中をうろうろしながら「まちのかおさがし」に出かけます。道路の上、建物の壁、空の雲、花、道端のごみ箱。街のなかで、たくさんの顔に出会います。50枚以上の顔写真にはかんたんな文章がそえてあり、それらが顔の表情をより浮かびあがらせています。
気にしだすとなんでも顔に見えるもので、この絵本の中で紹介されている「80」は秀逸。顔を左に傾けて、じーっと見ていると……驚いた顔に見えてきませんか?
著者の阪東勲さんは1943年生まれのグラフィックデザイナー。1970年代から様々な街で「ポーカーフェース」を撮り続けており、1990年代より週刊文集や産経新聞で連載も行っていたそうです。それら「ポーカーフェース」の一部は、阪東さんのウェブサイトで見ることが出来ます。
二冊目は、佐々木マキ(ささき・まき)さんの『まちには いろんな かおが いて』。
著者の佐々木マキさんは1946年生まれ。『ガロ』で漫画家としてデビューした後に絵本作家へ転身、「ムッシュ・ムニエル」シリーズや「ぶたのたね」シリーズなど多数の絵本を手掛け、さらにイラストレーターとしても活躍されています。
本の中にはマンホール、木、壁、遊具など20枚以上の顔写真が紹介されており、絵本作家さんらしいテンポの良い文章に導かれながら、自分も街の中を散歩して顔を見つけているような気分になります。
1997年に福音館書店「こどものとも」シリーズの498号として出版され、その後2010年に「こどものとも 年中向き」シリーズの295号、2013年には「こどものとも絵本」としてハードカバーになりました。
こんな楽しい絵本を見ていると、自分でも顔を探してみたくなってきませんか? おや、こんなところにも……。 (Lixy/ASOBIDEA)
マウスを乗せると?