言葉遊びの王道といえば、しりとり。
というわけで、今回は「しりとり」を用いた面白い絵本を紹介します。まずは、漫画家であり絵本作家でもある、馬場のぼるさんによる『ぶたたぬききつねねこ』。
絵本は「朝、おひさまがまどを照らすと、ドアをあけて出てきたのはあほうどりでした」というシーンから始まります。といっても、実際に書かれている言葉は「おひさま」「まど」「どあ」「あほうどり」だけ。これらの言葉と描かれている絵がストーリーを紡いでくれます。絵本には「しちめんちょう」「くま」「こうのとり」「きりぎりす」など多くの生き物が登場、タイトルになっている「ぶた」「たぬき」「きつね」「ねこ」は物語の終盤に登場します。そして、エンディングでは「クリスマス」を祝います。
途中には、りんご→ごりら→らっぱ→パイナップル→ルビー……という、どこかで耳にしたようなフレーズも登場。しりとりをするならつい誰もが唱えてしまうこの一連の流れも、この本から誕生したのかもしれません。
馬場のぼるさんは30作品以上の絵本を発表しており、どの作品も、子供の心をひきつけるやさしい絵で構成されています。特に、代表作の『11ひきのねこ』シリーズは、絵本以外にもぬいぐるみ、切手にと40年以上にわたって楽しまれています。
『ぶたたぬききつねねこ』から2年後の1981年には『ぶたたぬききつねねこ その2』を発表、一作目同様の構成で、「ぶた」「たぬき」「きつね」「ねこ」と動物仲間たちとの楽しい日常が描かれています。最後は、みんなで「じゅうごや」のお月見をします。
さらに、1990年には『こぶたたんぽぽぽけっととんぼ』を発表。前二作で登場した「ぶた」「たぬき」「きつね」「ねこ」がお父さん、お母さんとなって登場し、子供たち「こぶた」「まめだぬき」「こぎつね」「こねこ」とのドタバタの日常が描かれています。
これら三冊とも、しりとりの楽しさを子供に伝えるのには最適です。言葉を覚えたての子供でも、読んでいるうちに難しいものの名称まで覚えてしまいます。しりとりのルールもいつの間にか理解するようで、電車や車の中など、お出かけの際にしりとりで遊べると楽しいですね。
今回はここまで。次回も、しりとりをテーマに、違う絵本を紹介します。