凧とパズルと判じもん

岩瀬 尚行
学校教諭を経て、2001年に京都でパズル工房「葉樹林」をスタート。立体パズルを創作・販売するかたわら、パズルの楽しさを広める活動を続けている。

鳥居 勝久
滋賀県東近江市にある、世界凧博物館 東近江大凧会館の学芸員。凧に関するイベントの企画・運営に加え、さまざまな展示会の仕掛人としても活躍している。

4 アンテナを張る

岩瀬
まぁ、アンテナの張り方が半端やないから。(大凧会館の)ブログを見てても、他のところのイベントとか、いろんなものが紹介されてる。
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それに、鳥居さんはラジオ番組のレギュラーも持っているそうですね。
鳥居
ぼくの番組ではなくて、大凧会館の番組ですけども、毎月第四土曜日の10時から30分間やってます。地元のミニFM局なので、地元の情報がたくさん出るんです。
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やはり。
鳥居
大凧会館でも年間を通じて告知しに行っていたんですが、スタッフの人に「よう来るさかい、大凧会館の番組を月一でやっても、いけるかもわからん」と言われて、それなら、やりましょうと。
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おぉー。
鳥居
もう、三年くらいになるのかなぁ。
凧を中心として、いろいろな情報を発信してますが、30分といっても間に3曲入るので、実際にはもう少し短いです。今はネットでも公開していますから、意外なところから「見たよ」と言われます(笑)。
岩瀬
(笑)
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取材を受けるだけではなくて、発信する側となると、パワーがいりますね。
鳥居
ただ、4月からずっと12ヶ月あるわけですよね。で、やる内容は一緒なんです。
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え?
鳥居
主な行事というのは、もう毎月きまっているわけで、4月になったら「来月は大凧祭りがやって来ます」という話なんです。
この前の7月なら、「夏休みの企画展やってます」というのがパズルになるのか、コマになるのか、他のものか。だから、同じようなことを言っているんですね。
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枠組みは決まっていると。
鳥居
そう。一回目は苦労しましたけども、二回目からは、去年こんなことしゃべっているさかいに……という感じで、あとは今の旬の内容ですよね。今しかやらない内容。
岩瀬
でも、まだいろんなものがあるでしょう。凧にまつわる話とか、山ほどある。そういったものを織り交ぜて。
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たしかに。
30分といっても、曲を除いて、ずっと告知しているわけでもないでしょうし。
鳥居
まぁ、そうです。8月やったら甲子園とか、オリンピックがどうたらこうたら、ってしゃべっているうち、気が付いたら5分ぐらい経ってますからね。
岩瀬
(笑)
鳥居
ほんで、今年のオリンピックやったら、オープニングが凧やったんですよ。
あの、開会式が。
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そうでしたっけ。
鳥居
えぇと、冬のオリンピック。
岩瀬
トリノ? (※ソチです)
鳥居
開会式にね、少女が現れて、凧を持ってくる。その凧が少女を連れてあがって、町並みを見る、というオープニングだったんですよ。
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見ているところが違いますね。
岩瀬
(笑)
鳥居
まぁ、そういうのが旬のネタです。
で、番組名は「鳥居ちゃんの聞いてみよう!行ってみよう!」というんです。
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名前が入っているじゃないですか。
一同
(笑)
鳥居
なんでか知らんが、ぼくの名前が入ってしまったんですよ(笑)。
聞いてみよう!行ってみよう!と言うんで、聞いて、いろんなところに行きましょう、という番組です。
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大凧会館のコーナーというより、これはもう個人コーナーのような……
一同
(笑)
鳥居
あの(笑)、いつも番組のコールで、時刻は10時を回りました、東近江大凧会館の鳥居がお送りする番組、「鳥居ちゃんの聞いてみよう!行ってみよう!」です、なんて言ってます。
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しっかりMCやってるんですね。
岩瀬
(笑)
鳥居
まぁ(笑)、ミニFM局も地域に根ざしたものなので、たとえば、どこかの街づくり協議会や地元の商工会が番組を持ったり、そういう番組構成になってきたんですよ。
どちらかというと、私のやったものはその走りですが、地元の人に出てもらって番組を作るということなんです。
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なるほど。
鳥居
ニュースはニュースで、ちゃんとパーソナリティがいる番組もあるんですけどね。
岩瀬
聞いてみよう、行ってみよう、だったら、大凧の紹介やなしに、地域のこともしゃべるわけやね。
鳥居
もちろん、コトナリエもしゃべってるし、びわ湖花火の話もするし。
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近場のイベント情報ですよね。
鳥居
結局、自分の興味があるものになってしまうし、自分が行きたいなと思うところになってしまうときもあります。
岩瀬
そうか、それがブログにもつながっているわけやな。
鳥居
はい。紹介しているものは、やっぱり、うちと付き合いのあるところとか、行ってみて面白かったところとかが多いですよね。
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なるほど。
鳥居
だから仏像とか、絵画とか、そういうものは少ないと思います。どっちかというと、紙とか、おもちゃとか、そういうもの。で、ブログにときどき、花を載せますやんか。
岩瀬
はい。
鳥居
あれも、うちの作戦で、けっこう花というのは、みなさん来るんですよ。たとえば、アジサイと検索したとき、うちのところが引っ掛かるときがあるさかいに、季節ネタというのは強いんです。お祭りとかもね。
岩瀬
それでも、けっこうマメに動いているわな。京都の有名な三室戸寺というのが、宇治の方にあるんです。そこまで取材に来てるし。
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これ、出張って、そんなに方々にあるわけじゃないでしょうから、休日も総動員しているわけですか?
鳥居
そうです、そうです。ほとんど休日です。
岩瀬
そういう反応は、なんかこう、出てこないのかな。ラジオの放送に対する反応。
鳥居
それは、わからない。
いっぺん、やってみても良いですね。リクエストをお待ちします、とか言って。凧の思い出をお聞かせください、って。
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ちなみに、ラジオの番組は生放送ですか?
鳥居
録音です。だいたい、前日の金曜日に入れるようにしているんですよ。
でも、どうしても都合が悪くて、木曜日になるときもあって。中には火曜日なんてのもありました。そういうのはね、天気とかが困るんですよ。夏でも「暑いですね今日は」と言えへんときもあるので。
岩瀬
あぁ、それは言えない。
鳥居
できるだけ、金曜日に入れる方が間違いないのでね。
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これまで、紙とか、遊びとかっていう、凧の要素を引っぱり出してきて、そこに関係あるものを結び付けている、ということでした。
これって、ほぼ鳥居さんお一人で動いているのですよね?
鳥居
はい。
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そういう場合って、息切れすることも多いので、どうして続けていけるのかにも興味があります。
鳥居
まぁ、正直しんどい面もありますけど、出会った人が一番大きいということがありますね。ありがたいことにパズルの展示も三回してますし、うちわの方も「また展示しませんか」という話が来ていますから。
(つづく)