まずは、ごくごく簡単なパズルをひとつ。
問題:「若い勝利(わかいしょうり)」。さて、この言葉をうまく並べ替えると、ある有名なスポーツ選手の名前になるのですが、それは誰でしょう?
こういう「文字の位置を替えて、別の文字を作ること」をアナグラム(anagram)といいます。言葉遊びのひとつですが、頭のなかであれこれ文字を並べ替えて楽しめるので、上記のようなパズルにすると、ちょっと解いてみたくなりますよね。テレビのクイズ番組などでも、これと似た問題がよく登場したりします。
アナグラムを広告にうまく応用した例は、あまり見たことがないなぁ、と思っていたのですが、海外のシリーズ広告でひとつ見つけました。今回はそれをご紹介しましょう。
画面の中央には、DANGER(危険)という文字があるだけ。何の広告かなと思って、右下を見てみると、6段の棚があって、その中にはGARDEN(庭園)の文字がきっちり収まっています。DANGER → GARDENというアナグラムですね。
広告主の「Easy」はDIY用品を取り扱う会社で、「バラバラでは危険なものを、棚をつくってきっちり整理しましょう」と訴求しているわけです。そういわれると、DANGERの各文字の素材が、庭用グッズのように見えてきます。
シリーズ広告ですので、同じ趣向のものが、あと2つあります。
DUSTY(ほこりまみれ) → STUDY(勉強部屋)。勉強部屋も、きちんと整理。
DIRTY ROOM(汚い部屋) → DORMITORY(寮・寄宿舎)。寮の汚い部屋を、きれいに。
3つのアナグラムは、どれも「否定的な言葉」から「住居関連の言葉」へと変化させていて、きちんと「広告」に仕上がっているのが素晴らしい。この3つの言葉(アナグラム)を見つけ出すのは、大変だったのではないかなぁ、などと思ってしまいました。
さて。最初にあげたパズルの答えは「ゴルフ選手のあの人」です。もう分かりますよね。これはアナグラムの言葉自体が本人をあらわしていて、とても面白いと思った作例でした。
ちなみに、アナグラム(文字の並べ替え)をテーマにしたtwitterを「asobot:名前シャッフル」としてASOBIDEAが発信していますので、興味の湧いた方はぜひフォローしてみてください。