第19回 さて、動いて見えるでしょうか?

ちょっと、お固い話から始まってしまいます。

錯視の分類の一つに「運動錯視」というものがあります。文字どおり、運動(物の動き)に関する錯視です。この運動錯視には、さまざまな種類があるのですが、中でも一番代表的なのは「静止しているのに動いているように見える」という錯視でしょう。

そして、この「動いているように見える」錯視を使った広告がいくつかあるんですね。今回はそれをご紹介します。

まずは、ポスターを二点。大きい画像で見れば、わりと動いて見えるのですが、さてどうでしょう。

真ん中にある英文は、"If this is common to you. Look for A.A." 「これが普通に見えるなら、A.A.を探してください」。このA.A.というのは、アルコール問題解決団体。つまり「これが正常に見えるほど、酩酊していませんか?」と言っているわけです。

次は、水の日をアピールするポスターで、ゆらゆらと波打つ水を表現しているようです。

商品にからめた広告の例として、次のようなものもありました。

「ニンニクのツイストがきいたケチャップ」だそうで、ツイストと動く錯視をひっかけています。

そして、最後にもう一つ。これは日本で作られた広告です。

きゃりーぱみゅぱみゅが登場しての「クラクラキャンペーン」。商品やメッセージを優先し、錯視以外のデザインを多めにすると、どうやら錯視の効果は薄れてしまうみたいですね。

さて、今回ご紹介した広告たち、あなたにはどのくらい動いて見えましたか?