前回、英語の回文が使われた広告を紹介しましたが、今回はその日本編です。
日本の広告で回文といえば、まず、この人に登場してもらわなければなりません。有名なコピーライターであり、回文作家としても活躍された土屋耕一氏です。
縦長の新聞広告ですので、四つ並べてご紹介しました。読みにくいと思いますが、下のボディコピーでうまく商品と回文を結びつけています。どれも回文は良い出来ですねえ。
さらに、広告主を変えて、こんなものも発表されています。
彼が広告に登場させた回文は他にも数多くあり、後に回文集『軽い機敏な子猫何匹いるか』の中に収録されたりしています。
次は、クリスマスシーズンに出た、こんな広告から。
これは同じビジュアルで、下の回文コピーだけを次のように変えたシリーズになっていました。
- 「よい知らせらしいよ」
- 「歌うまいよ、いま歌う?」
- 「スキのしるしのキス」
さて、この日本編で、さらに載せようと思った広告があったのですが、どう探してもポスターのビジュアルが見つかりませんでした。それが、次の回文コピー。
- 「なかよし、しよかな」
百貨店のギフト広告で、たしか『広告年鑑』にも載っていたはずなんですが……。広告というのは、絵(ビジュアル)と文(コピー)が揃ってこその作品なので、ご紹介できず残念です。
ということで、最後はこんな広告キャラに登場してもらいます。
大阪にある日本一高いビル、あべのハルカス。その公式キャラクターが「あべのべあ」です。こういうキャラクターや商品名が回文というのも時折見かけますね(商品ですぐ思い浮かぶのは、東京みやげの「ごまたまご」でしょうか)。
トリック・アドとしては初めての日本編、いかがでしたか。次回は、また海外の広告の紹介に戻ろうかなと思っています。
2016.8.26