今回は、「だまし絵」ではなく「パズル」寄りの話題です。まあ、普通のビジュアルではない「トリッキーな広告」ということで、紹介させてください。
「点つなぎ」は、数字のついた点を順番に結んでいくと絵がうかびあがるパズル。子供向けの本などでよく見かけますが、大人でも、ちょっと鉛筆を持ってやってみたくなる魅力がありますよね。
そのせいか、この点つなぎを仕掛けにした海外の広告がいくつかあり、面白いなあと思って画像をいくつかストックしたりしてました。すると、去年(2016年)の夏、日本の広告にも点つなぎが登場したのです。まずはそれを紹介しましょう。
点を、飛んでいる蚊にしているのが面白いですね。
シリーズ広告として三作が新聞に掲載され、それらは企業の公式サイトで見られます。さらに、実際に線を結んで遊べるページもあります。解答が何になるかは、実際に点つなぎをして確認してみてください。
では、海外にはどんな「点つなぎ広告」があったのか、見ていきましょう。同じ仕掛けでも、切り口はいろいろですよ。
"Choose your adventure."「冒険を選ぼう」ということで、赤い点を結ぶのと、青い点を結ぶのとでは違う絵が出てくるわけです。この写真でわかる通り、赤い点は「狼や鷹のいる森」が出てきます(実際の広告に赤い線はありません)。青い点の方は「連なる山々と崖」が出てきます。
次は、点が少なくて、何が出るか見ただけですぐに分かるもの。
"Draw your new body."「新しい体を描こう」と、フィットネスを推奨しているわけですね。
点は多いけど、どんな絵ができるのかは自明というものもあります。
"Learn art step by step."「順を追って、アートを学びましょう」
美術教室の広告です。
さて最後は、点つなぎを逆手に取った、ちょっと面白いアプローチ。
「6×49 West Lotto」は、49個の数字の中から七つを選ぶという、数字選択式のロト宝くじ。49の数字がある点つなぎを、普通にやれば「花」や「バス」にしかならないけど、うまく七つの数字を選べば「ダイヤ」や「スーパーカー」になりますよー、とアピールしているわけです。そんなにうまくいかないでしょうと思いつつも、ちょっとクスッと笑ってしまった広告でした。
同じ点つなぎでも、広告としての攻め方はいろいろ。知恵の出し方は、いろいろあるんだなと感心してしまいますね。