第27回 紙は、裏もつかいましょう!?

ポスターと言うと、壁にペタンと貼るもの、平面的なものと思ってしまいますが、とにかく「目立ちたい広告」は、その先入観(?)を逆手にとったりするのであります。

まずは、わかりやすい例をご紹介しましょう。

解説するのも野暮ですが、くるっと巻きあがったポスターの裏面がコーンになっていて、おいしそうなアイスクリームに見えるわけです。いまどきなら、コーンに手を添えた自撮り写真をSNSにアップしたくなるかも……!?

次の広告は、やはりポスターがめくれて裏が見えているのですが、右下のロゴを見れば納得するという趣向。

「ARIEL」は漂白剤なしでも「より白くなる」のが売りの洗濯洗剤。めくれた部分の壁が白くなっていることで商品をアピールしているわけですね。「立体的」で目立ちますから、目にとめて、くすっと笑ってもらえばいいぐらいのノリでしょうか。ま、有名ブランドだからできる手法という気もします。

次の例も、画像を見れば、その狙いは一目瞭然。

ヨガの宣伝。解説は不要でしょう。紙はやわらかい、という特性も活かしているわけです。

さて、最後に紹介するのは、ポスターを型で切り抜き、裏を見せるという高度な進化型(?)であります。

喫煙の「裏側」を見せて警告する――と言ったところでしょうか。

こういうポスターは、たぶん駅張りとか中吊りにはなりにくいでしょうから、前に取り上げた「ゲリラ広告」に近いのかもしれないなと、個人的には思っています。

紙を平面ではなく、立体的につかう手法。その意表を突くトリッキーさは、他の商品やサービスの広告でも展開できるような気がします。

では、ここで頭の体操。
あなた自身が関わっている仕事や業種から、この手法を使った新しいポスターや宣伝のアイデアが思いつけないか……。こういうことで頭をひねるのも、ちょっと楽しいものですよ。これからの秋の夜長に(?)よかったら、ぜひどうぞ。