7月

いよいよ夏本番。今回も「その月」をテーマにお送りしますが、いつも掲載は月末あたり。雑誌のような月の先取りでなく、こちらは月のおさらいをする感じで進めていきましょう。

さて、まずはスタンダードな図案から。ASOBIDEAスタッフの三輪による作品です。

このままでも、そして逆さにしても「July」と読めませんか。Jとuが合わさってyになる手法に、あらためて納得。先日のワークショップで披露した手際の良さを、ここでも感じますね。

ところで、今回も新しい作者を迎えることになりました。さっそく作品をお見せしましょう。それがASOBIDEAサポートスタッフのHiroshiさんによる、こちらの図案。

「七夕」のようで、ちょっと二重になっている部分を気にすると「七月」に。季節も形も、この二つは非常に近い関係だったのです。そんな発見を率直に楽しめるアイデアでした。

七夕というと、ある二人のストーリーが話題になるものです。それを巧妙に仕上げているのが、まっしーさんによる、こちらの作品。

「おりひめ」と「ひこぼし」の短冊が二枚。しかし、この二枚は逆さにすると同一なのですね。強弱のついた描き方が機能と演出を両立させていて、とても風流です。

さて、この月の風物詩というと、いよいよ店の軒先にぶら下がるコレがありますよ。

作者は意瞑字査印さん。いわゆる氷旗を裏返すと、「氷」が「ICE」と読めてきます。なんとも涼しげな和英変換を、シンプルに実現してくださいました。

風物詩は食べものだけではありません。自然の世界にも、さまざまなものが姿を見せてくれます。たとえば、夏祭りのシンボルにもなる、あの果実。

igatoxinさんは、漢字を操って「酸漿」を見事にアンビグラム化。これ、ひらがなにすると「ほおずき」なんです。あの表皮の質感とともに、夏の暑さも感じさせてくれます。

最後も自然界から。といっても、モノではなくて自然現象です。作者はkawaharさん。

ざっと降り注いだ雨の中に「夕立」の文字。これがナナメに裏返せる、つまり折って重なる形になっていますね。しかも、キャプションの「夕立ち」は、逆さにしても同じ形状に!

というわけで、8月を目前に、楽しく7月を思い返すことができました。ご協力いただいた作家のみなさん、ありがとうございます。それでは、また来月にお会いしましょう。