いよいよ始まりました、この連載。今月から、少し趣向を変えての再スタートです。
これまでは、それぞれの月にまつわるものなら何でもOK、というスタイルでした。そこで、今回からは具体的にテーマを設定していこうと思います。
というわけで、記念すべき最初のテーマは、こちら。
いきなり抽象的なテーマが登場しました。ここでは、英語などを含め、それが「ありがとう」の意味になるものを考えていただきます。
最初にご紹介するのは、Hiroshiさんの作品。
全体に「ありがとう」と読めますが、見ようによっては「Thanks」にも読めてしまう。軽やかな文字のなかに、しっかり不思議さが詰まっていますね。
こうした、二つの言葉を通り抜ける作品が、もうひとつ。作者は意瞑字査印さん。
「ありがとう」の文字を裏返してタテにすると「thank you」になってしまいます。見せ方のトリッキーさに加えて、力強さを感じる筆づかい。見事な完成度です。
そして、言葉の世界に広がりを見せる、こんなアイデアが続きます。
igatoxinさん作の「GRACIAS」は上下を逆さにすると「ありがとう」に。どこかで聞いたことのある「グラシアス」はスペイン語なんですね。
ところで、英語に限定した図案もいただきました。作者は、まっしーさん。
この「Many thanks」は180度回転させても同じ形。まさにアンビグラムの典型です。aとnのペア、yとhの関係など、基本を知るための良いお手本にもなっていますよ。
さて、最後にお送りするのは、とてもポップな作品です。
kawaharさん作の「サンキュー/ありがとー」は、お互いに裏返しの関係。向きは逆になっていても、感謝の気持ちは同じですよね、きっと。
それでは、今月はここまで。ご協力くださった作家のみなさん、ありがとうございました。今後の連載も、どうぞお楽しみに。