毎月の終わりごろに登場している、このコーナー。ここ数か月は季節に合ったテーマをお届けしてきました。しかし、今回は違います。
なんだか、クイズっぽい感じですね。いずれにしても、今回は反意語や対義語など、お互いに対立するようなペアを取り入れていきますよ。
最初にご紹介するのは、こちらの作品です。
© 2015 kawahar
kawaharさんの「すき/きらい」は、一方の文字を逆さまにすると、もう片方と同じ形に。意味も形も逆さまで、さらにカボチャも逆さ絵の関係になっていて、言わば全体がアンビグラムの入れ子を作り出しています。
続いては、こんな反対語をお見せします。作者はigatoxinさん。
© 2015 igatoxin
左で横になっているのが「倒」なら、右で立ち上がっているのは「起」。この二文字は向きが違うだけで、実はまったく同じ形です。リボンのように絡み合う文字のパーツが、自然と文字を切りかえる、そのシンプルなアイデアに驚かされます。
次の作品も、主役は漢字。
© 2015 意瞑字査印
意瞑字査印さんの「陰陽」は、二つの文字を組み合わせると一つの形になります。つまり、この枠の中では、一方の文字が他方の背景になっているわけです。まさに、表裏一体。それを形の上でも表現していて、なかなか奥の深い図案だなと感じました。
というわけで、最後の作品です。作者は、まっしーさん。
© 2015 まっしー
上に「close」、下に「open」とありますが、もうお分かりですね。この二つは同じものを逆さまにしただけ。カリグラフィーのような文字の形も、それぞれが正しく読めるための工夫に関係していて、かなり細かく巧妙に仕組まれています。
さて、これで今回は終わりです。こういう言葉の意味を感じるテーマも、独特の楽しさがありますね。
ご協力くださった作家のみなさん、ありがとうございました。それでは、また来月の再開です。