タイトルに「今月」とあっても、その月に関係があったりなかったりして、ここまで柔軟に続けてきました。前回は形のないテーマでしたから、今回はこんな形で。
季節がら、秋の草花が登場するのかなと思いますが、どうなることやら。それでは最初に、kawaharさんの作品から見ていきます。
© 2015 kawahar
「なずな」と読んでいただきたいのですが、これ全体を逆さから見ても、やっぱり同じ。もちろん、文字として右から読んでも同じです。そんな二重の逆さが込められた、かわいらしいアンビグラムを仕立ててくださいました。
次は、まっしーさんによる、英字の作品です。
© 2015 まっしー
この「a maple tree」は、まさにベーシックなアンビグラム。ひっくり返しても全体は変わりません。似たような形のパーツが結びつきを変えて、三つの単語を作る仕組みを、ぜひ味わってください。
ここから先は、漢字の世界です。
© 2015 igatoxin
igatoxinさんの「沈丁花」は、全体が左右対称。中央だけでも対称で、それをはさむ両脇の字が鏡写しになっているというわけです。これを見ると、なんだか当然のように考えがちですが、自分の手で書いてみると簡単ではないことがわかるはず。
最後にお見せするのは、こんな植物です。作者は、意瞑字査印さん。
© 2015 意瞑字査印
上下が逆さまでも同じままの「秋桜」。つまり、秋の字が逆になると桜になるのですね。どこか花びらのニュアンスも感じさせる文字です。ちなみに、これとは違った趣向の「秋桜」が昨年の9月にも登場していますよ。
さて、これにて今月は終わりです。ご協力くださった作家のみなさん、ありがとうございました。来月は、いよいよ年の瀬です。
2015.11.30