六月は梅雨どきということもあって、部屋の中での過ごし方を耳にすることが多いもの。そういう意味では、こんなテーマも良いのではないでしょうか。
これも解釈によって変わる部分が多いのですが、ほんのり独断をからめながら、いつものように文字の遊びを眺めていきます。
まずは、igatoxinさんの作品から。
© 2016 igatoxin
日本の代表的なゲームとして知られる「将棋」。この全体をナナメに見ると、きちんと左右対称になっているのが分かります。ちょっとしたドット絵のような感じで、ゲームっぽい雰囲気もありますね。この様式が二つの文字を成立させている部分もあるのでした。
そして、日本のゲームが続きます。
© 2016 kawahar
kawaharさん作の「花合わせ」は、花札の遊び方のひとつ。そして、文字を含めた全体が逆さまにしても変わらない形になっているのです。花の字をひっくり返すと、ひらがな二文字に読めてしまうのが、なんとも不思議ですね。それを支える合の字も単独で点対称になっています。
次も、おなじみの室内ゲームです。
© 2016 意瞑字査印, igatoxin, kawahar
意瞑字査印さんらによる「オセロ」は、平面を限りなく敷き詰めていける図案。しかも、黒と白の部分が同じ形になっていて、互いに逆さまにすると白い部分が「オセロ」と読めるように組み合わさっています。オセロを思わせる仕組みの詰まったアイデアでした。
今度は、海外発のボードゲームを。作者は、まっしーさん。
© 2016 まっしー
「Monopoly」とは、日本でも親しまれているモノポリーのこと。本物のロゴを模したような色合いになっていますが、全体を180度回転しても同じように読めますね。とくに、NとPには先月の作品と通じる工夫があって、応用の幅を再認識させてくれます。
最後は、ちょっとだけ変化球。Hiroshiさんが仕上げてくれました。
© 2016 Hiroshi
「エカキウタ」は、もちろん絵描き歌のこと。本来はゲームというより室内遊びの一種ですが、結末を当てる遊び方もあるので、実はゲーム性もあるのでしょう。図案としては左右対称のアンビグラム。とても微妙に調整されていて、なぜかカタカナに読めてしまうという、味のあるアイデアでした。
というわけで、これにて今月はおしまいです。ご協力くださった作家のみなさん、ありがとうございました。また来月の登場を、お楽しみに。