月ごとに、テーマを決めて文字で遊ぶ、この連載。このところ、わりと季節に合った題材が続いていましたので、今回は時期にとらわれないものにしてみましょう。
たとえば、「東京」は(ほぼ)左右対称になっていて、そのままでもアンビグラムになりそうです。いずれにしろ、選択肢だけなら47種類となるわけですが、今回は三つに絞ってご紹介します。
まずは、北の方から。作者はigatoxinさん。
© 2016 igatoxin
とてもシンプルに「新潟」。よく見ると、二つの字は互いに逆さまになっているだけで、まったく同じ。つまり、全体を180度回転させても、見た目に変わりはないのです。普通に考えると結びつかないはずなのに、きっちり入れ替わる不思議さがあります。
お次は、少し南に移動して、こちらの県。
© 2016 kawahar
kawaharさんのチョイスは「岐阜」。楽しそうな図案ですが、実はこれ、同じ形状のパーツを二つ組み合わせていて、下の方にある丸印が唯一の交点。しかも、この点を中心に回転させると、二つはピッタリ重なるのですから、なんとも面白いものですね。
最後は、さらに進んで、こちらの県。
© 2016 まっしー
まっしーさんの「とっとり」には、名産の梨が登場しています。肝心の文字は……というと、これも回転対称。すなわち、全体をひっくり返しても同じです。何気ないところにも形の工夫があって、シンプルながら見どころはイロイロあります。
さて、これで今月はおしまいです。ご協力くださった作家のみなさん、ありがとうございました。次は年の瀬。また来月の登場を、お楽しみに。
2016.11.30