5月

自由にテーマを設定して、それを軸に文字の遊びを続ける、この連載。前回は季節と無縁のテーマでした。今月も同じく、なかば思いつきのように題材を選ぼうと思います。

今月のテーマ
大工道具

大工仕事に使う工具の類いを想定していますが、多くの場合、伝統的な道具を思い浮かべるのではないでしょうか。あとは、文字に仕掛けを込められるかどうか。

最初の登場は、kawaharさん。定番の道具です。

「トンカチ」と読めますが、この全体を逆さにしても変わらないのがポイント。まさに文字の一部がトンカチのようになって、他のパーツを曲げていますね。そのおかげで、文字を読み取りやすくなったところがあるのかも。

さらに、ちょっと表記を変えると、こうなります。

まっしーさんの「Hammer」は、もちろんハンマーのこと。引っくり返しても同じように読めますね。とくに、両端にある「H」と「r」の処理が考えどころで、大文字か小文字か、そのチョイスも重要です。

カタカナ、アルファベットときて、最後は漢字。

igatoxinさんが選んだのは「面取鉋」。これも全体が点対称になっていて、逆さに見ても変わらないのです。巧妙にパーツが付け変わって、逆転に対応する形の妙を味わってください。鉋の中に面が隠れていたとは、なんとも驚きですね。

さて、今月はこれで終わります。ご協力くださった作家のみなさん、ありがとうございました。例によって、次回も月末ごろの登場です。