いろいろと勝手なテーマで文字をこねくり回していたら、すっかり雨の季節となりました。こうなると、普段から空の様子が気になりますね。今月は、それにふさわしいテーマを選んでみましょう。
今月のテーマ
天気
何をもって「天気」というのか、そこには踏み込まず、ここでは素朴に「天気」と思えるものを相手にします。まずは、これぞ代表格というものから。
© 2017 igatoxin
igatoxinさんの「晴れ/曇り」は、互いに裏返しの関係で、向きを変えると文字の解釈が変わります。読み仮名が形の変化を助けていたり、「日」という字が回転しても変わらないように読めたりして、独特の工夫が巧妙です。
続いても、やはり天気のペア。まっしーさんの作品です。
© 2017 まっしー
上で「fine」と読めたものが逆さになると「rain」になりました。線の長さや切れ目の位置など、パーツの細部を観察していくと、だんだん形の必然性が見えてきます。微妙なバランスの上に成り立っていることを、ぜひ感じてください。
おしまいに、少し毛色が変わります。
© 2017 kawahar
kawaharさんの「炎天下」は、ひっくり返しても同じように見えるもの。テーマ的には意外性があるものの、図案としては典型的なアンビグラムです。「炎」を切り離すと「天下」になるところに、形の不思議さがありますね。
それでは、これで今月は終わりです。ご協力くださった作家のみなさん、ありがとうございました。次回も月の終わりに登場します。どうぞ、お楽しみに。
2017.6.28